江戸の風 浪速の風  平成辛巳歳・秋乃両吟
2001年9月1日 〜 12月28日完結
山椒亭笊閲、琴閑亭朋朗

吾子の目が輝きディズニーランド夏
  ビデオ肩かけあちらこちらと
生徒会広報係頼まれて
  工夫重ねて新聞つくる
月並みなものボツになる投書欄
  短歌俳句なんでもござれ

秋めいてお茶にしましょと風流人
  蒸した小芋の熱々に柚子
湯気の向こう友の幻一人卓
  時を忘れて手酌楽しむ
雪割りて乙女の声と露天風呂
  さるの親子が驚いて出る
ジャングルをかき分け進む特殊部隊
  謡(うた)で偲んで故郷(ふるさと)の月
今日もよる訛なつかしコーヒー店
  注文せずともちゃんと出てくる
花見には付き物課長の宴会芸
  咳払いしか聞いたことない


















  . 雪降りて試験会場はりつめし
  古き校舎にゲバ文字のビラ
訪ぬれば往時の面影色褪せて
  レンガ作りの製糸工場
あの峠越えて食べるはにぎりめし
  さわやかな風心に吹いて
街角でふと耳にした古い歌
  日曜の午後カラオケ教室
公園で朝日を浴びて目ざめけり
  死なずにすんだ北国のトラ
月無き夜森に迷うた人が来た
  真赤なりんごしっかり持って

初恋の君もすっかりおとなびて
  突然髪を伸ばし始める
人形は真夜中に見るものではない
  青い目をして故郷を思う
巨星墜つ花の都の歌が出る
  十万ボルトの男も伝説



















作品一覧へ / 連句のページへ / はなだんな のページへ