江戸の風 浪速の風  平成辛巳歳・新春両吟
2001年1月5日 〜 3月27日完結
山椒亭笊閲、琴閑亭朋朗

仲見世を参詣の波世紀晴れ
  大きな屋根に鳩が居並ぶ
頼りなき冬の日ざしで和らぎて
  庭のだるまもいつしかたれ目
月映るバーの灰皿ぼやくらん
  言いわけをしてアルハラかわす

金曜の夜に集いし合唱団
  伊豆のロッジでアイリッシュ三昧
初顔もネットの延長親しげに
  老いも若きも男も女も
これからはマリンスポーツと温泉か
  ホテル誘致に町長躍気
風景を台無しにして工事進む
  路地裏の月なごりを惜しむ
湯上がりに風もぬるみて猫の恋
  鼻むずがゆく夜も寝られず
花見宴お盆踊りも度が過ぎて
  都へ行くもはるかな夢と


















  . 箱根よりたすき受け継ぐ若人ら
  穏やかな日や門かどの松
一年ののぞみを乗せてたこ揚がる
  忍者映画にも影りがみえる
大部屋に残りし女性(ひと)に夢語る
  も一度孫と競走できたら
参加して楽しき秋の運動会
  青いみかんにほのかな想い
こだわりを捨てきれずに同窓会
  課長になれず定年迫る
すだれ髪月も吹き飛ぶような風
  照らされし雪見れず残念

二人して薪のはねる音を聞く
  能に酔うては頬のポーかな
あでやかな舞に心を奪われて
  人の心も移りかわりて
海面に無常の花が散りにけり
  風の日もあり春ぞたけなわ



















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