江戸の風 浪速の風  平成辛巳歳・春乃両吟
2001年4月1日 〜 5月29日完結
山椒亭笊閲、琴閑亭朋朗

ふたたびの春や日差しの暖かき
  測候所にて見る雪割草
一人寝の咳も寂しき響きして
  共に鳴りたる昔のギター
公園に懐かしき歌流れ月
  反戦誓う人ら集いし

ちょび髭をはやした男ステップする
  トレードマークは山高帽子
黒ずくめ恋の季節をハモってる
  窓の明かりに気づかうシラノ
朝早く天狗をさしに鞍馬まで
  九郎判官よしつねよしつね
植木屋の腕を休めて柳陰
  吹き渡る風酒肴の品に
五月病ジョッキ片手に同期会
  積極的になれず寡黙に
談笑のオヤジをよそに壁の花
  深夜になれば鬼面が浮かびて


















  . 先生の話を信じて行きそびれ
  口癖のように出る「ショームナイ」
彼のこと持って回って父に言い
  思わぬ話祖母の助け舟
にんじんを裏ごしかけて食べさせて
  カレーに入れれば何でも平気
見たこともないよな色のカビが生え
  知ったかぶりをからかいだます
壷二つ値札をはずし売られけり
  並べて見れば妙なつりあい
すっぽんの鍋を囲みて冬の月
  腕をつかんで大きな悲鳴

乗り継いでメールの友を呼び出して
  初顔ながら気心知れる
ここ一番肩を組み合い応援歌
  旧友と酒かわすひげおやじ
待つ妻に何を思てか花を買う
  受賞の連絡知らずに帰る



















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