江戸の風 浪速の風  平成壬午歳・新春両吟
2002年1月14日 〜 3月31日完結
琴閑亭朋朗、山椒亭笊閲

通り雨靴をならして初詣
  緑あざやか門かどの松
郵便を配る若人はつらつと
  父に従い峠を越える
静けさや渓流に月うつりたり
  朝に仕掛けを上げる楽しみ

ご馳走で腹いっぱいの夢を見た
  魔法のことば覚えきれずに
薬草の香りもいつか馴れるだろ
  フランス人のおうちにステイ
昼間からワインよばれて上機嫌
  赤鼻親父坂を滑べる
小春日や唇寒しギャグ受けず
  屋外ライブ出来は月並み
銭投げて立ち去る人にも手を合わす
  天井裏でねずみがたごと
花咲きてやはりあなたに決めました
  意味なく襲われ理不尽なる死


















  . 蟻の巣のそばに青虫落とされる
  鬼のコーチを感謝の胴上げ
選抜も決まり球児らに春来たる
  後援会は苦心算段
抜け道を探して秘書は汗をかき
  キタの小屋からよく似た人が
かけ持ちが多くて時間まちがえる
  うっかり言った局の悪口
陰湿ないじめに負けて職場去る
  建てたハウスのローンをどうする
目もうるみ屋根のむこうの月にじむ
  粉飛ぶ陽気値千金

年越しを控えてそば屋にぎやかに
  うそで固めた人情話
いいわけは大阪弁で申します
  使い分けてる先輩発見
花の舞うベンチ隣の人は誰
  今や二人の子供も育ち



















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