江戸の風 浪速の風  平成壬午歳・春乃両吟
2002年4月3日 〜 7月7日完結
山椒亭笊閲、琴閑亭朋朗

蚊の羽音はやも来鳴きて夏日来ぬ
  薄えんどうをあわて摘み取る
さわら焼き和の鉄人と妻は言い
  カル・リプケンをもてなす衣笠
球宴に熱を帯びるがごとき月
  景気上向くきざし見えれば

不祥事にライオンハートも傷付いて
  ちゅーとはんぱな春の参拝
初瀬川はや売り切れし素麺撥
  杉玉かけて年の瀬来る
都会より二人の姉妹移り住む
  ゆとり教育親は目指して
千仞の谷も近頃浅くなり
  箱根の木立ち月もさえる
別荘に友を招きて音楽会
  交響曲ではぐくむ吟醸
花見おやじ幹事の苦労ぶち壊し
  注目の任務ストレスたまる


















  . 無意識で帽子拾っておこられる
  世界に見られた狂った役所
国境も時差もなくすかWWW
  何かのミスでチケット買えず
いす投げて大きな声でののしって
  やけのやんぱちやんちに目ンち
ドアの前一瞬遅れてハト悔し
  阪堺線がのどかに走る
南蛮の伝えし蘇鉄そびえけり
  真青な空に赤き実熟れて
虫すだくふるさとの山月淡し
  ろうそくを持つ子らのささやき

遅くまで台風情報聞き入りて
  外の音せぬマンションに居り
お隣のけんかも知らでミニトマト
  シャンパンを抜く音でやれやれ
このレース花の都へ続きけり
  最新モードに夢を編み込む



















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