東風ふかば  平成戊子歳・秋乃両吟
2008年9月21日 〜 12月23日完結
琴閑亭朋朗、山椒亭笊閲

初見草色無風(いろなきかぜ)に天も澄む
  流れおだやかせせらぎひやり
とんぼたち飛び交いて日の傾きて
  もてなしを受け和む遍路宿
一合の酒に酔いて語るらん
  月で餅搗きしてはるのれすか

臼と杵積んで宇宙へ行てきます
  荷物軽々宿替えの夢
ぬけがけを許さん村の青年団
  会うはこっそり神社の裏手
夏祭り夜店でお面二つ買う
  風邪で寝ている子の顔うかぶ
いつもよりだんどりつけて退社する
  シャンソンバーへ向かう月影
初めての客を誘いて心勇む
  ガイドも兼ねた俥のバイト
嵐山花の季節はにぎわいて
  春も湯豆腐夏も湯豆腐


















  . 定番のアテをいただきまず一献
  いらんこと言わぬへんくつ親爺
いつまでも納得いくまで槌を打つ
  ありふれた物に宿る用の美
水漏れたばかりに茶碗桐箱に
  土産もできた勘当息子
一本の線香見つめ猫の声
  戒名ぐらいは付けてやらねば
凩や飛ばずに消えたしゃぼん玉
  転校生は人気者に
月あかりたよりにさがす秘密基地
  夏の帰省も残りはわずか

空気ごと土産にしたい大自然
  夢を語りて流星を追う
二人ならどんなことでも乗り越えて
  披露宴での祝辞がつづく
上の空花嫁の頭旅の空
  異国の大地踏みしめ生きる



















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