続 江戸の風 浪速の風  平成己丑歳・秋乃両吟
2009年8月5日 〜 11月10日完結
山椒亭笊閲、琴閑亭朋朗

みんみんと油の夏やのどかなり
  冷やしたトマトがぶりと食べる
定年後田舎暮らしに夢をみて
  ランプの宿でまずは体験
眩しくてカーテンを引く望の夜
  下心見え送り狼

同僚にすべて任せた御膳立て
  ボスの失言ないこと願う
あの三百今度はこちらへまた三百
  老後考え資金運用
楽しんで一人になって帰国する
  事情知るやついま海の底
やむを得ぬ約束破り玉手箱
  月のあかりに機織りの影
父帰る夜なべ仕事も慣れた頃
  迎える囲炉裏栗の実煮える
訪れる客にせめても庭の花
  柿の囲いに興醒めの顔


















  . 蟹の子が助太刀無用と息巻いて
  軍艦寿司はいつまでも回る
迷た末未練残して席を立つ
  どうにかこうにか終電に乗る
庭付きを妻にせがまれ購入する
  まず手始めにミニトマトから
変わり揚げやけどしかけて黒ビール
  村の酒場に集う人々
若い衆が不穏なことする悪だくみ
  倒幕のドラマ大河でどうぞ
腕組んで月夜に立ちたい桂浜
  博多なまりで説教をする

肉ジャガをそっと出されて泪ぐむ
  あわてて混ぜた生のたまねぎ
庭荒らす猫を成敗する前に
  裏の先生謡をうなる
素人の会にも花が贈られる
  カーテンコールに万雷の拍手



















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