東風ふかば  平成己丑歳・新春両吟
2009年1月6日 〜 3月16日完結
山椒亭笊閲、琴閑亭朋朗

いにしえの人太宰府の東風を待つ
  猫の住む家来客多し
子どもらがへんこつ親爺をからかいて
  いかけ屋泣かすジュジュのジュのジュ
柄の取れた鍋が砂場に月の射す
  震災の跡今も残りて

駅前の喫茶店にて待ちぼうけ
  人影見える紫煙のむこう
仕事柄捌く鰻に似てきたり
  思わぬ人の先輩だった
故郷(ふるさと)の訛り飛び交ひ盛り上がる
  チャンス迎えたアルプススタンド
このごろは黄色とピンク混じり合い
  月も大きくトロピカルな海
島唄と口笛合わせ聞こえけり
  宴の最後皆踊り出す
花嫁も当たり前のよに輪に入り
  手足伸ばして女正月


















  . 黒砂糖かすで包んでぐちを言う
  火鉢外れたやかんもぬくし
ひとり身の気楽さシャンソン通いつめ
  都を目指すストリートライブ
人見知り治すつもりがえらいこと
  生徒会長に通ってしまう
勉強やスポーツよりもおもろいやつ
  祈りのポーズでバシッと決める
霊水を誠しやかに売りつける
  何かを信じてすがるほかなし
お月さま春霞とて美しき
  にじんで見えるはほろ酔いかげん

内定の通知が届きトンボきる
  雑技団でもあるまいものを
優雅とはほど遠い舞金メダル
  伝統芸能注目されて
泥田にも蓮(はちす)の花がひとつ咲き
  根はしっかりと真白に息づく



















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