江戸の風 浪速の風  平成庚辰歳・秋乃両吟
2000年9月13日 〜 2001年1月1日完結
琴閑亭朋朗、山椒亭笊閲

雨降ってようやく虫が聞こえけり
  暑さ収まる秋のお彼岸
賑やかに一家総出で寺参り
  あれこれ言って駅前に出る
エプロンをかけし夫の新所帯
  月見ラーメンきのこも入れる

隣から行楽帰りのお裾分け
  聞こえよがしに噂の話
セクハラの濡衣かけられ悔しがる
  渋い顔して飲めば茶柱
音立てず食べた香コでのど詰まる
  先生の目を盗み早弁
「ナンヤソレ」スリル味わい汗をかく
  線路に月と五十サンチーム
避暑地からバカンス終えて帰る旅
  ワインとジャムをお土産にして
食卓に花を飾りて感謝祭
  遠足で掘った芋も一品


















  . 幼子が慣れぬ手つきでお手伝い
  ペンキぬりたて白い犬小屋
あこがれのマイホーム建て悦に入る
  床を背にして茶室に座る
静けさに心も澄みてつらねうた
  けっこうやなと家人に言われ
日曜日朝からビール飲んで寝る
  雨で中止の町内野球
引越前最後の雄姿かなわずに
  そこのおまるがちと気にかかる
弟と月をたよりに外へ出る
  狙いをつけた木にカブトムシ

危険だと判っていても甘い水
  いつのまにやら高い料金
誘惑を避けて帰えって夜の街
  音立てぬよう玄関のドア
パーティーにサンタ姿の友が花
  独身最後皆から祝福



















作品一覧へ / 連句のページへ / はなだんな のページへ