江戸の風 浪速の風  平成庚辰歳・春乃両吟
2000年3月1日 〜 5月23日完結
琴閑亭朋朗、山椒亭笊閲

我もまた夏にあたらん江戸の風
  朝顔市の涼やかな音
絹団扇(うちわ)和服の人の通り来て
  吉備路にわたるさわやかな風
ペダルこぎ水攻めの城探しけり
  長ぶろ浴びて床に就けば月

ストレスを癒やす梅の実湯割り酎
  ぐちを聞いてる水戸の老人
嘆くのは人の情けの変り様
  メールに夢中で席を譲らず
窓の外黄砂飛ぶ杉も飛ぶ
  洗車に出して初出勤か
やり直し気をひきしめて月仰ぐ
  震災で焼けアーケードは骨
公園に今年も遊ぶ春雀
  吹き流しまで群れて飛びけり
新学期学級写真に花の舞
  レビュー夢見る歌劇の生徒


















  . 天与えし二物あっても狭き門
  正体ばれしミスコンテスト
本名を野太い声で居直りて
  土下座させられ悔しき印籠
酒の席言い負かしたは得意先
  巨人阪神どちらが強いか
ずっこいわいいもんばかり集めてる
  やりくりよそにクラブのセット
新緑と五月の風を見に行こう
  若葉マークの彼女を乗せて
甲高く慣れない言葉聞こえてる
  萩の月さえ真っ赤に染まる

春に噴きいつまで煙続くやら
  法被を羽織りみんなで踊る
文化祭クラスの色を工夫して
  達成感が胸にみなぎる
暑さ寒さ世話を続けて花咲かす
  長月の頃実を結びけり



















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