江戸の風 浪速の風  平成庚辰歳・夏乃両吟
2000年6月1日 〜 8月11日完結
山椒亭笊閲、琴閑亭朋朗

はやも夏思わす夕立きょう六月
  蚊取り線香ほのかに漂う
打ち水や頑固親父がこだわりて
  垣に茂りし夕顔のつる
星月夜光の束が里に降る
  リゾートの噂ペンション開く

にわかに話し方教室持たれる
  オランダからの客を迎える
九州に十字切る者多く居て
  大きなボンタン四人で分ける
何回も袋の数を確めて
  世界に向けてトナカイのそり
冬の空きっとよぎったものがある
  大きな夢を月に腰掛け
建築家奇抜なデザインデビューする
  黄金弾が隅田のほとり
そゞろ歩き「花」のメロディー口ずさみ
  女子高校の辞令が届く


















  . 昼休み黄色い声に悩まされ
  ボクらァは抜け出し服部のパン
弁当のおかずは毎週同じもの
  今期限りの出入りの業者
こりゃどうも先代からのつきあいで
  仇名はやっぱりオバハンにしとく
つい口が滑ってしまう酒が恐い
  披露宴では悪友達が
爆走もエレキの音も今は昔
  ほほえむ顔に静かに合掌
月照らす白くて冥(くら)き夜道かな
  栗の毬など用心をする

山間の隠れ湯探す旅に出る
  連泊で取る安BH
「我が町化」できて帰りもまた嬉し
  めし屋の暖簾気さくにくぐる
花一りんどのテーブルにも飾られて
  若い仲間が門出を祝う



















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