斜面でじっと
雨にぬれて
松の枝は 塗り分けられる
雨粒を受けては
うなずき うなずく冬の葉は
「だからどうだというんだ おれは
ただこうして 天を見つめているのさ」
林でじっと
雨にぬれて
ひよどりたちは ちりぢり ばらばら
さきほどまでの
おしゃべりをぱったりやめて 隠れている
「つめたいが春のきざしよ この雨は
ただこうして 葉かげで待っているのさ」
それらをわたしは
窓の中から とき
だからなんだというんだろう 今この刻限は
葉先にたまった雨つぶのように じっとして
そしていつの間にか 影も消え失せている
それまで
ただこうして 見つめているのさ
ただこうして 待っているのさ |