「う巻き」
夏の土用に「体力回復!」とて鰻を食しますが、単体の「蒲焼き」、ごはんに
乗せた「まむし」だけでなく、卵の巻き焼きの芯にした「う巻き」、きゅうり
の酢の物と合わせた「うざく」、お茶漬けに乗せた「うな茶」など、いろんな
応用が利きます。ウやウナは鰻の略。今回は、わたしが社会人になりたての何
年間か、暑くなったら無性に食べたくなって、しょっちゅう通っていた大阪・
京橋の鰻屋の絶妙の一品、「う巻き」を紹介します。家でまねして作ってみて
も、なかなかお店のような、ふわふわの仕上がりにならないのですが(^_^;)。
鰻の蒲焼きは細く刻みます。う巻き1人前で幅5cmもあればいいでしょう。
卵2個を割りほぐし、だし50cc程度を加えて混ぜます。四角い卵焼き器を
うっすらと煙が出るぐらいに熱し、油引きでよく油を行き渡らせます(お店で
は、油を滲ませた綿で卵焼き器をぬぐっていました)。火はずっと強火です。
ここに卵液の1/4〜1/3を流し、「表面を横に4等分した向こう側から2つめの
区画」に刻んだ鰻全部を横向けに置きます。そして、卵が半熟になるぐらいで、
鰻の向こう側の卵を鰻にかぶせ、順次巻きます(お店では鍋をあおりながら、
箸で押さえてパタパタとリズミカルに巻き包んでいました)。巻き終わったら
向こう側に油を引き、巻いた卵を向こう側に滑らせて、手前側も油を引きます。
空いた領域に卵液を流し込み、また巻く。これを3〜4回繰り返して卵液を使
い切り、う巻きの完成です(お店では1人前30秒ぐらいで作っていました)。
強火で、だしを多めに入れて、油も多めに引き、手早く作ると、うまく行きそ
うなものですが、やはり卵料理だけあって、家で作ってみると難しいですね。
お店では、できたてに蒲焼きのたれをかけて出してくれます。中はとろとろ、
ふんわりと固まっている程度で、卵豆腐ぐらいの柔らかさです。わたしが就職
した当時、並うな丼とう巻きのセット(吸い物・香の物付き)が昼食時限定で
600円(現在は時間限定なしで850円)。いまでも時折、食べに行くんですよ。
(2006年7月16日) 【関連書き込み】 |