「冷やしたぬきそば」
久しぶりに東京へ出張し、冷やしたぬきそばを食べてきました。これは何物か?
浅い鉢に冷やしたそばを盛り、天かす(揚げ玉)、きゅうりのせん切り、かま
ぼこのせん切りなどを乗せて、冷たいそばつゆを掛け回したものです。東京の
冷たいそばでも、もりそばやざるそばは「付け麺」方式ですが、この冷やタは
「ぶっかけ」方式でいただきます。東京では揚げ玉(単に「揚げ」とも言う)
を入れたそば・うどんが「たぬき」ですが、冷やタの場合はきゅうりなども入
り、そばバージョンの冷麺(冷麺も「冷やし中華」と言う)の趣でもあります。
粋なそばの食べ方として、せいろ(ざる)から麺をつまみ上げ、つゆに下1/3
から半分程度を浸すだけで、ひと口にすすり上げる、というのが言われます。
麺自体の味を楽しむためか、つゆがダダ辛いからか知りませんが、ともかく、
そんな普通のざるそばなどの食べ方に比べ、この冷やしたぬきは「ざんない」
です。麺を高く掲げて食べていては、麺に絡まない天かすは、いつまでたって
も食べられません。勢い、天かすの多そうなところを麺で包み込むようにして、
一気に口に入れるものの、量が多すぎるので麺を途中で切るはめになります。
まったく、ガッついているように見えてしまうのが、情けないところです。
東京で単身赴任をしている間に、シンプルなもりそばが気に入り、のりが邪魔
になってざるそばを敬遠するようになりましたが、それでもたまには「モリよ
りも栄養があるだろう」と思い、夏場は冷やタ(たいていは大盛り)を食べて
いました。でも、よく考えれば、そばの麺は“出しガラ”(^_^;)。栄養を言う
なら、やっぱり「そば湯」でしょう。安い立ち食いの店でも、ちゃんと1人前
の湯桶(ゆとう)に入れてそば湯を出してくれるのには、関西人ながら感心し
ました。負け惜しみを言うなら「そばは田舎の食いもンじゃい」ですが(^o^!)。
(2005年9月4日) 【関連書き込み】 |