おリョオリのうた 2005年・夏
「ラタトゥイユ ratatouille」
夏野菜の蒸し煮です。今ごろの時期、多めに作って冷やしておけば、さっぱり
とした一品になります。使う物は決まっていないので、冷蔵庫の残り野菜など
をポイポイ加えてください。きょうは、ズッキーニと赤と黄のピーマンが少量
ずつあったので使いましたが、必ず要るというわけではけっしてありません。

1)まず鍋にオリーブオイル少量を引き、あれば薄切りのベーコンを並べる。
2)一番下は(新)たまねぎなどの「焦げにくく、焦げても美味しい野菜」。
3)次に(新)じゃがいもなどの「ちょっと水気を含ませて蒸したい野菜」。
4)ここからはピーマン類、ズッキーニなどの「その他の野菜」を適宜置く。
5)一番上には(切って水にさらし、ちょっと水を含ませた)なす、しめじ、
  えのき茸などの「水が出る野菜類」を乗せ、塩少々を振ってふたをする。
6)中火にかけ、湯気が勢いよく出るようになったら、湯気が出続ける程度の
  ごくごく弱火にする。(a)湯気が透明になるか (b)焦げたにおいがするか
  (c)しめじの香りが強くなってから5分程度たつか……すると火を止める。

よく冷めるまで待ってから、ふたを取ってください。くれぐれもかき混ぜない
ように! そうっと人数分取り分けて、ぽん酢とかマヨネーズとか、お好みの
調味料で食べてください。残った分は冷蔵庫で冷やすといいでしょう。なお、
不幸にしてベーコンが黒焦げになっていれば、そのベーコンはボツに。焦げく
ささが他の野菜に移ると風味も半減です。その場合でも、野菜は充分食べられ
ます(犠牲になったベーコンに感謝しましょう(^_^;))。トマト、キャベツ、
オクラ、三度豆……それに、中段あたりにソーセージを入れてもいいでしょう。


(2005年6月12日)  【関連書き込み

「フィッシュ&チップス」
フィッシュは揚げた白身の魚、チップスは素揚げのじゃがいも。英国のパブ・
メニューとして有名ですが、アイルランドでは「ヒラメ&チップス」「タラ&
チップス」などと、個別にメニューに載せている店もあります(はなだんなの
旅行記参照)。その場合の「チップス」は、ほとんどフレンチフライ(太めの
マッチ棒状)です。作る際は、まず、じゃがいもから揚げるのがよいでしょう。

じゃがいもの切り方は櫛切りでも何でもかまいませんが、新じゃがは特に低温
の油で5〜10分以上かけて、じっくり素揚げしましょう。いもの水分が抜け
切らないと、ホクホクしないし、冷めるとベチャッとします。くっつかないよ
うに、最初は丁寧に混ぜたりしながら、きつね色になるまで揚げてください。
魚は、てんぷら方式とフライ方式と2通りあります。どちらも、揚げたてを食
べるという前提で、やや高めの温度でカラリと揚げましょう。冷めると身から
出た水分で、やはり衣が崩れたり破れたりします。温かいうちに、ケチャップ
かモルトビネガーでいただきます。お好みでレモン、塩、コショウなども可。

揚げ物のついでに、オニオンリングがあると嬉しいですね。これは新たまねぎ
のほうが、むしろ向いています。皮をむいて横半分に切り、1〜1.5cmぐらい
の厚みの輪切りにして、折らないように各リングを外したら、やはりてんぷら
かフライにします。これはじゃがいもと違って、短時間でも揚がりますので、
中温〜高温の油でOKです。リングにならない半端な部分は、冷蔵庫に取って
おいて、みじん切りして使う料理か炒め物、味噌汁などに使ってください。


(2005年6月16日)  【関連書き込み

「なすときゅうりの即席漬け」
野菜のおかずが何もないとき/もう一品ほしいとき/さっぱりした物が食べた
いとき……などにうってつけのメニューです。野菜に旬を感じなくなって久し
いですが、ほんとうは出盛りの時期に作れば美味しいんでしょうね。ちょっと
の手間で簡単に作れますので、お酒のアテなどにも、ぜひお試しください。

材料:なす中1本にきゅうり半本の割合。おろししょうが、醤油、めんつゆ。
手順:1)へたを取ったなすは縦に4ツ割りして薄切り(いちょう切り)にし、
  水にさらす。2)きゅうりは薄い輪切りに。3)水気を切ったなすときゅ
  うりをボウルに入れ、醤油をちょろっとたらし、汁が出てグヂャグヂャに
  なるまで、よーく混ぜる・揉む・こねる(3〜5分ぐらい)。4)よーく
  揉んだら、いったん汁を捨て、めんつゆとおろししょうが(または、おろ
  しわさび)を加えて軽く混ぜる。5)醤油などで味を調えて、できあがり。

なすのアクが気にならなければ、水にさらすのは省略できます。冷えていると
より美味しいので、3)で氷1カケラと一緒にこねてもOKです。お好みで、
薄切りしたみょうがを仕上げに混ぜてもいいでしょう。めんつゆでなく、最後
まで醤油だけで作ってもかまいません。たくさん作って置いておくより、すぐ
にいただくほうが、きゅうりの歯ごたえが多少残るので良いと思います。


(2005年6月22日)  【関連書き込み

「冷や汁」
今年は、関西は「梅雨入りとみられる宣言」のあとも前線は南海上に停滞し、
雨量は例年に比べて少ないようです。湿度は高く、昼の気温は30度前後……
というこんな時期、きゅうりを入れた冷たい味噌汁をよく作り、食欲を保ちま
す。冷や汁・冷やし汁は夏の季語で、全国いろいろなレシピがあるようですが、
わたしは「きゅうりにちょっと熱を加えて作る味噌汁」が気に入っています。

食べる前日に、乾燥わかめ少量を入れたシンプルな味噌汁を作り、仕上がりに
薄い輪切りにしたきゅうりを入れて火を止めます。鍋のまま、またはボウルな
どに移して冷まし、室温ぐらいになったら冷蔵庫に入れます。めいめいの椀に
よそってから冷やしても構いません。翌日、冷たいままで、いただきます。

きゅうりの薄切りは、当日に生のまま浮かす、という作り方もありますが、汁
と一体化しないように感じてしまいます。上記のようにすると、実はいくぶん
軟らかくなってパリパリ感はなくなりますが、皮のシャキッとした感じは若干
残ります。なお、ダシや塩加減を少し濃いめにしたほうが美味しく感じますが、
塩分はほどほどに。どーしても、と言うなら、食べるときにお椀に醤油を1滴
だけ落としてみてください。醤油の香りも、食欲には大事な要素です。


(2005年6月23日)  【関連書き込み

「春巻」
きのう、春巻を作りました。昼ごはんは「豚肉入り野菜炒め」だったのですが、
下の子(4才)が急に暑くなって食欲をなくしたのか、1週間の疲れが日曜に
出たのか(それとも野菜炒めが薄味で気に入らなかったのか(^_^;))、少し残
しました。わたしの3口分ぐらいだったので、その場でわたしが食べてもよか
ったのですが、ほかにおかずもあったので、とりあえず残しておこうと、冷蔵
庫にしまいました。さて、買い物に行って晩ごはんを考えているときに、ふと
野菜炒めを処理しなければいけないことを思い出し、ちょうど春巻の皮が期限
が近いのか「半額」で売っていたので、「そうだ、春巻だ」と思ったのです。

20cm角ぐらいの皮を5枚49円で手に入れたので、わずかばかりの具を5
等分し、その茶さじ1杯ぐらいの量をくるくると包み込んで、最後を小麦粉の
粘い水溶きで糊付けし、フライパンに1cmほど油を入れて焼き(揚げ?)ま
した。ちょっと油が少なかったのか、裏返しても両横がきつね色になりません
でしたが(^_^;)、何回か裏返しているうちに、いくぶん両横も色づきました。

仕上がりはパリパリになり、冷めてもダレなかったのは、具が少なかったから
でしょうか? もちろん、今回は下の子も1本分、ちゃんと食べました。もと
はと言えば、冷凍庫に長らく残っていた豚モモ切り落としと、冷蔵庫の整理的
に、キャベツ、にんじん、ピーマン、舞茸を炒めて、仕上げに醤油をちょろっ
とたらしたものです(豚を炒めるときにクローブとナツメグの粉末は使いまし
た)。わざわざ具から作ると面倒に思える春巻も、残り物を包み込むと、いと
もあっけなくできて、思ったより具が少なくても大丈夫なのだと判りました。


(2005年6月27日)  【関連書き込み

「キンシウリ」
漢字で書けば金糸瓜でしょうか。外見はプリンスメロンを縦に長くしたような
形と大きさで、皮は象牙色、実は黄色いカボチャの仲間です。ところがこれは
「そうめんカボチャ」の別名の通り、通常のカボチャの煮物とは似ても似つか
ぬ形状で食卓に上ります。食べるより、料理していて楽しい食材です (^_^)。

キンシウリは、ぶ厚い輪切りに(2ツ割りのものなら半月に)して、種を取り、
たっぷりのお湯で10分ほど茹でます。実に箸を刺してみて、軟らかくなって
いたら水を張ったボウルに取り、やけどに注意しながら実をほぐします(!)。
するとアラアラ不思議……皮1枚残して、あとは「大根のケン」状にバラバラ
になってしまいます。茹でた実全部をほぐしたら、ざるに取って水を捨て、何
回か水で洗うと、きれいな半透明の「そうめんカボチャ」のできあがり〜。

水気を切って冷蔵庫でよく冷やし、食べる直前に酢の物にしていただきます。
子ども向けにはマヨネーズであえてもいいでしょう。味は特筆すべき点はあり
ませんが、「何これ?」「カボチャです」「えっ?」というやりとりが楽しめ
ます。淡い黄色をしていますので、あえる時に夏みかん類の実をほぐして混ぜ、
ガラスの器に盛ったりすると、風流な、涼を呼ぶ一品になると思います。


(2005年7月3日)  【関連書き込み

「鱧の皮のザク」
夏が旬の鱧は、細かく骨切りをしたうえで照り焼き、塩焼き、ちり(落とし)、
てんぷらなどにしていただきます。すまし汁の椀だねや茶碗蒸しにもなります。
これらは通常、皮付きの身(淡泊な白身)としていただきますが、かまぼこや
すり身の原料として身を使ったあとに残った皮も、夏向きのしゃれた食材です。

皮はあぶって細切りにし、きゅうりの酢の物に合わせます。きゅうりの酢の物
を「ザク」と言いますが、食べるときの音から来ているのでしょう。きゅうり
は薄い輪切りでもいいし、蛇腹に包丁を入れてもいいでしょう。蛇腹は、輪切
りのように小口から狭い間隔で包丁を入れるものの、切り離さない程度に包丁
を止めて、たくさんの切り込みを入れるものです。斜めに蛇腹にしたきゅうり
を、さらに反対側から斜めに蛇腹にすると、伸び縮みもさせられます (^_^)。

うなぎの蒲焼きを使ったザク(うざく)も美味しいですが、鱧の皮のザクは、
いっそうコリコリした美味しさがあります。刻んだ皮を買ってきたなら、少し
電子レンジ等で加熱して、食べる直前に酢であえてください。味とともに食感
を味わうには、あまり長く酢に漬けないほうがいいと思います。


(2005年7月7日)  【関連書き込み

「キーマドライカレー」
お正月の「おせちもいいけど……」に倣えば、この季節は「そうめんもいいけ
どカレーもネ」でしょうか(^_^;)。カレー好きのわたしは年中作りますが、暑
い季節にはキリッと辛いドライカレーがお奨めです。キーマカレーは本来、鶏
ミンチかもしれませんが、わたしは合い挽きを使います。材料の中では、マス
タード・シードをぜひ加えてください。さわやかさと食感が、ひと味違います。

合い挽き肉100gに対して、玉ねぎ1〜1.5個をみじん切りにします。お好みで
にんじんやピーマンの粗みじん切りを加えてもかまいません。充分な量の油で
肉を炒め、色が変わったら玉ねぎ(、にんじん)を加えて、中火で炒めます。
玉ねぎが透き通り、あめ色になってきたら(ピーマンはここで加えます)、火
を弱くしてカレー粉を入れ、塩、粉末スープのもとと、ウスターソース少々で
塩加減を調整します。辛さや風味は、一味唐辛子、こしょう、クローブなどで
加減してください。最後に、大さじ1杯ぐらいのマスタード・シードを加え、
全体を混ぜてしばらく加熱し、火を止めて自然にさまして、できあがりです。

食べるときにもう一度加熱し、皿に平たく盛ったごはんの中央部に、デンと山
盛りにして乗せてください。いわゆるカレーチャーハンではありません。しっ
とりとしたドライカレーを適宜、ごはんと一緒にいただきます。辛さで、じん
わりと汗がにじむぐらいのほうが、健康的かもしれませんが、子供向けには辛
さを抑えて、コーンを加えるなどの工夫もできます。なお、マスタード・シー
ドは全然辛くありません。子供のいるご家庭でも、安心してお使いください。


(2005年7月10日)  【関連書き込み

「プチめはりずし」
本場紀州のめはりずしは、高菜漬けの葉で巻いた大人の握りこぶし級のバクダ
ンおむすびで、大きく目を見開いてかぶりつくところから「目張り寿司」(す
しは酢メシの意?)というそうです。で、そのアイデアをいただいて、目を見
張らないめはりずしを作りました。ひと口サイズで、子ども向けにもなります。

高菜漬け、野沢菜漬けなどを買ってきて、軸と葉に分け、葉だけを使います。
葉は大きければ、適当な大きさに切ってもOKです。中のおむすびは、梅肉で
あえたごはんを握れば相性がいいようですが、白飯でも、細切り昆布の佃煮や
のりの佃煮、ジャコの佃煮(釘煮も可)をまぜたものでもかまいません。大き
さも、食べる人に合わせて、大きくも小さくもできます。子ども向けならば、
切った葉をさっと水にくぐらせると、多少塩分がぬけて食べやすくなります。

白菜漬けの葉の部分でもできますが、浅漬けより古漬けのほうがいいでしょう。
おむすびに漬け菜を巻いたり、煎りゴマを入れた皿で転がしたり、桜でんぶを
表面にまぶしたり……。あとは薄焼き卵の巾着と、のりでくるんだものがあれ
ば、五色豆ならぬ「五色おむすび」。赤・白・黄・緑・黒の「陰陽五行むすび」
の完成です (^_^)(卵やでんぶを使うので精進にはなりませんが)。1人あて
5コ食べようとすると、やはり1つ1つは小さく作らないといけませんよね。


(2005年7月16日)  【関連書き込み

「冷やそうめん」
20、21日はわたしの氏神さん、大阪・淀川河畔は桜宮の夏祭りです。願人
による勇壮な太鼓の音が響き、獅子の行列が町内を練ります。よく「祭り鱧」
と言われますが、そんな豪勢なものはわが家にはなく、夕食はたいてい冷やそ
うめんでした。おかずは特に決まっていませんが、かぼちゃ、青唐(あおト)、
三度豆、厚揚げなどの煮き合わせ(たいたン)をよく食べたかもしれません。

茹でて水に取ったそうめんは、めいめいの(ラーメン鉢大の)ガラス鉢に冷水
ごと入っていました。これをつゆでいただくので、最初はよくても最後のほう
はつゆが薄まってきて水くさくなります。これが子どもの頃は嫌でした。水を
切って皿やざるに盛ってくれればいいものを、とずっと思い続けて今に至りま
す。だから今では、わたしはそうめんを出すときは、皿に盛るか、冷たいつゆ
に浸った状態で配膳します。そばのつゆは濃くて飲めませんが、そうめんつゆ
は飲めるぐらいの味で、麺と汁を一緒にすするものだ、と父が言っていました。

また、子どもの頃、赤や緑の麺がまじった、やや太めの「冷や麦」も時々食べ
ました。個人的にはこちらのほうが食感も見た目も(色付きの麺が当たるのも
楽しくて)好きだったのですが、それはつゆが薄まる度合いが、冷や麦のほう
がマシだったからかもしれません。コシの強い冷やしうどんはあまり好きでは
ありませんが、大阪の通常のうどんは軟らかいことと、冷やした麺はそうめん
のように「つるつるとすする」ものだという思いがあるからでしょうか(^_^;)。


(2005年7月20日)  【関連書き込み

「まむし」
夏の土用というと、ウシの日にウナギを食べることになっています。わたしは
源内さんがなんと言おうが「鰻まむし(まぶし)ごはん」は大好物なので、年
中食べていますが。まむしは、東京で言うウナ丼やウナ重で、蒲焼きのたれを
掛けた(まむした=まぶした)ごはんに、蒲焼きを乗せたものです。なお、蒲
焼きに関する東西の違いなどは、本題ではないので割愛させていただきます。

中には、ごはんの上に鰻を乗せ、ごはんの間にも鰻を挟む、という豪華版もあ
ることから、「間蒸し」だという人もいます。また、薄揚げを乗せたうどんが
「きつね」、こんにゃく入り味噌汁が「たぬき汁」なので、鰻を蛇に見立てて
「蝮」なんだろう、とも。名古屋には、同じく鰻を使った料理に「櫃まぶし」
がありますが、鰻を混ぜ込むのがお櫃でなければ単に「まぶし」でしょうから、
関西の「まむし」と同じ語源に違いありません。おからを酢で味付けし、酢で
締めた魚と合わせた「からまむし」も「おからでまぶした」という意味ですね。

市販の蒲焼きは、ガス火でも網で焼き直せば、香ばしさ倍増です(ただ、網に
サラダ油を塗るなどしないと、くっつきますが)。フライパンなら、油をごく
薄く引き、蒲焼きを皮を下にして乗せて、酒を少量振りかけてふたをすると、
ふんわり仕上がります。電子レンジでも、まあ、可です。ごはんは、蒲焼きを
乗せる前に、たれを掛けて、よく混ぜておくのがコツです。最後に蒲焼きを乗
せ、たれを少し掛けるとできあがりです。山椒の粉が付き物ですが、まず振ら
ずに一口味わって、それから振り掛けても遅くないのではないでしょうか。


(2005年7月22日)  【関連書き込み

「しじみ汁」
そんなつもりはなかったのですが、買い物に行ったら「土用しじみ」と書いた
パックがあったので、ついでに白味噌も買ってきて、しじみ汁にしました。し
じみ(しじみ汁)といえば一般に春の季語で、「土用しじみ」は夏の季語だそ
うです。貝のおついは、いつ飲んでも滋養満点のはずですが、夏場に栄養をつ
けるために、特別に季語にもされたのでしょう。わが家では、あさりは赤味噌
で、はまぐりは澄ましでいただきますが、なぜかしじみは白味噌を使います。

しじみは割合砂を吐きやすいので、昼に買ってきて夕方まで、浅い水に浸けて
静かにしておくだけで、砂出しは充分です。最後にガラガラッと殻をこすり合
わせて洗ったら、人数分の水に貝を入れて水から沸かします。煮立ったら弱火
にしてアクをすくい、味噌を溶き入れます。白味噌とは言っても、雑煮ほど濃
くしたくないので、量を減らして赤味噌で味を補い、ダシ代わりに昆布茶少々
を加えます。火を強め、煮立つか煮立たないかで火を止めてできあがりです。

はまぐりなどと違い、身をちびちび食べるのも、しじみならではですね。ひと
月前に紹介した「冷や汁」もいいですが(^_^;)、夏のしじみも、ぜひ! なお、
大阪には「夏のはまぐり」という言い回しがあって、ウインドーショッピング
ばかりの客にたまりかねた商店主が「ホンマ、夏のはまぐりや。見ぃくさって、
買いくさらん(身ぃ腐って、貝腐らん)」とボヤきます。幸い、しじみにそう
いう言い回しはありませんが、時節柄、くれぐれも新鮮な貝をお求めください。


(2005年7月24日)  【関連書き込み

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