おリョオリのうた 2006年・早春
「とろろ昆布のおつい」
わたしが食事時に作る吸い物はたいてい味噌汁で、たまに澄まし汁を作ります。
どちらかと言うと味噌汁のほうがいろんな具に合い、澄まし汁のほうが「具を
選ぶ」感じがします。たいした具がないときや、手間が面倒なとき、今でこそ
インスタントの味噌汁やカップスープがありますが、小さい頃はよく、とろろ
昆布のおついを飲んだものです。お椀にほぐしたとろろ昆布を鶏卵大か、少し
少なめに入れ、醤油少々を掛けてから熱湯をたっぷり注げばできあがりです。

昆布茶に似た味わいですが、醤油味がある分だけ食事向きでしょう。昆布茶よ
り粘りが出て冷めにくいので、やけどに注意が必要です。何か具を追加すると
すれば、せいぜい三ツ葉かねぎでしょうか。お茶漬け用のあられがあれば、い
いかもしれませんね。そう言えば、ごはんの上にとろろ昆布を乗せて同様にす
れば、とろろ昆布のお茶漬けになります。鯛の刺し身を2〜3切れ乗せておけ
ば、鯛茶漬けです。この場合はお好みでわさびを加えてもいいかもしれません。

父は毎晩、晩酌をしていましたが、燗酒を飲んでからごはんに移り、おかずが
もう一品欲しいときに、茶碗のふたを皿代わりにして、とろろ昆布を山盛りに
乗せ、醤油を掛けてから熱湯少量を注いで、よく練っておかずにしていました
(「味の素」もたくさん掛けていましたが)。今のわたしは、その「おショユー
掛けて、お茶掛けて」と呼んでいた、練ったとろろ昆布だけでは、おかずにも
酒のアテにも物足りなく感じるのですが、父は気に入っていたのでしょうね。


(2006年1月22日)  【関連書き込み

「ポテトエッグフライ」
24、25日は初天神でした。大阪天満宮(天満の天神さん)の境内にも幾ら
か店が出ていましたが、買って食べるほどのものもなく、周辺を散策しついで
に商店街のN屋で60円のコロッケを買って、熱々を食べながら歩きました。
小ぶりな小判形で、衣がカリカリして美味しかったのですが、以前から書いて
いるように、わたしはコロッケを作るのが苦手です(^_^;)。そこで、ポテトと
茹で卵を使った揚げ物(てんぷら)で、お茶を濁させていただこうかと……。

材料:じゃがいも、卵、小麦粉、揚げ油(、あればパセリ少々)。
手順:1)皮をむいてサイコロ状に切ったじゃがいもを茹でておく。2)卵も
  茹でてサイコロ状に切る。3)小麦粉を水で溶いて衣を作り(みじん切り
  のパセリ少々を入れてもよい)、じゃがいもと卵を入れてさっくり混ぜ、
  一口大になるように大さじですくって揚げる。具は加熱済みなので、衣が
  固まればよい。4)よく油を切り、ソースかケチャップを付けていただく。

大学生協の食堂でよく食べていたメニューでした。揚げすぎて黄身が溶け出さ
ないように注意してください。なお、混ぜるときに黄身が少々崩れて、衣に混
ざるのは良しとします。ボリュームがあるので、充分メインのおかずになりま
す。ただ、食堂のメニューは「ポテトエッグフライ」だったかどうか、自信が
ありません。とはいえ、簡単なので、ふだんのお惣菜として、名前は適当でも
いいのかもしれませんね。勿論、一般名があれば教えていただきたいですが。


(2006年1月27日)  【関連書き込み

「大根餅」
今年は29日が旧正月。田舎では今もこの日を正月の一連の行事の起点にする
ところがあるのではないでしょうか。たしかに七草なども、旧のほうが芽吹き
の加減から言っても、季節的に納得できるように思います。また最近では中国
など、まだ旧正月の風習が色濃く残る国々を意識しての「春節」の行事が繰り
広げられるのも目にします。神戸や横浜の中華街も賑やかになり、竜が舞った
り、通りでは水餃子やフカヒレ麺、揚げパン、中華バーガー?が人気を集めた
りします。それらの中で、ここ数年わたしが気に入っているのが大根餅です。

大根餅は、大根おろしを練り込んだ小麦粉の団子の塊を厚めに切ったもので、
ごま油を引いた鉄板で両面を香ばしく焼き、餃子のたれのようなものをつけて
いただきます。中身は大根だけでなく、きくらげ、ハム(焼き豚)、クコの実
などが入る場合がありますが、ネットで検索するといくらかレシピがあります
ので、詳しい作り方はそちらに譲ります。餅米ではないものの、ぷよぷよして
もちもちした「餅」で、ごま油の香りと焼けたにおいが、食欲を誘います。

ようかんのような生の大根餅を売っていれば、買ってきて角餅ぐらいの厚みに
切り、ホットプレートなどの中火で焼けばいいでしょう。あまり頻繁に裏返し
たり、いじくり回したりしないのがコツです。焼いている面がきつね色になる
頃を見計らってコテでシュパッと裏返し、焼くのは表裏1回ずつでキメましょ
う (^_^)。中がサクッという感じに焼ければ最高ですが、生でなくて、大根の
甘みが感じられるようなら成功です。ちょうど、切り干し大根の寄せ揚げとか、
切り干し大根を具にした(信州の)おやきのような味わいも感じられますね。


(2006年1月28日)  【関連書き込み

「ゆり根の卵とじ」
ゆり根はぎんなんとともに茶碗蒸しの名脇役なので、冬のものだと思いがちで
すが、以前、能登半島・輪島の朝市では秋に買いました。ゆりの茎というか根
というか、つまりは「芋」でしょうが、その鱗片のほくほくした感じを味わい
ます。茶碗蒸しに1片2片入っているのもオツですが、先日は小さなこぶし大
のを買ってきたので、バラバラにして、淡い味の卵とじにして楽しみました。

ゆり根はおがくずまみれにして売っていることが多いですが、まず優しくおが
くずを落としたあと、チラシなどを敷いた上で、包丁の根元で丁寧に1片1片
はがしていきます。ひげ根を取り、鱗片の付け根あたりに包丁を入れて、外す
ようにするといいでしょう。はがれたら、端の黒くなったりした所を落として
おきます。大から小まで、たくさんの鱗片に分かれたら、ボウルに取って1つ
1つ水で洗い、指で汚れを取ります。ここまで来れば、あとはもう一息です。

鍋でもフライパンでも、ゆり根をなるべく重ならないように並べ、200cc
弱の水(だし)に、醤油・塩・みりん各少々で薄味にして火にかけます。沸騰
したらふたをして弱火にし、だしから出た部分も蒸されて火が通るようにしま
す。3〜5分煮いたら、強火にして溶き卵1〜2個分を全体に流し、ふたをし
て吹いてきたら火を止めて、余熱で卵を固めます。少し冷めてからフライ返し
などで切り分けて、盛りつけましょう。煮きが浅ければ、少しシャリシャリし、
それからホクホク、ベチャッとなりますので、加熱時間にはご注意ください。


(2006年1月29日)  【関連書き込み

「豆ごはん」
春にえんどう(グリンピース)が出始めたときに塩味で炊く豆ごはんは、季節
を感じる一品となるでしょう。でも今回のは違います。節分で撒いたり食べた
りした炒り大豆の残りを、ごはんと一緒に炊き込むものです。昨今の、軟らか
く炒って売られている豆だけでなく、生の大豆を気長に炒ったやや硬めのもの
でも、余ってしまえば炊飯器に入れて、お米と一緒に炊いてしまいましょう。
普通の水加減でお米を仕掛け、豆を混ぜたら、少しだけ水を加えて炊きます。

よく炒った豆は、炊き上がると黒くなってしまいますが、やや香ばしい程度で
味が落ちるわけではありません。麦茶の麦やコーヒー豆ほどではないにしろ、
焙煎した大豆なわけですから、煮れば多少は黒くなるでしょう。また、豆の皮
が炊けたごはんのあちこちに浮遊するかもしれません。これもよく混ぜ込んで
食べてしまってください。最近、五穀米とか十穀米とかいって、あわやきびを
混ぜたごはんもあるようですが、大豆ごはんも栄養の点では申し分ありません。

節分は立春の前日の「年越し」。鬼などの悪い物がうろつく日と言われます。
豆は、熱く炒ったのを撒いて、鬼を払うものです。霊力があると思われていた
のでしょうか。栄養満点な大豆ですが、摂りすぎは良くないなどと最近の報道
にありました。でも、年の数(数え年+1コ)の豆を食べ、同じ数の豆を神社
にお供えして立春からの1年の各自の無事を願い、残りは家族で撒く。さらに
余れば……手を変え品を変えして、勿体なくないようにするべきでしょうね。


(2006年2月3日)  【関連書き込み

「きんかん」
「きんかん皮食て実ぃやろか」と言うように、実は小さくて酸っぱいので食べ
ませんが、よく熟れた皮と、皮の下のわたの部分を食べる柑橘類です。子ども
の頃、友達の家に遊びに行ったときに、庭になっていたのをよく食べました。
今ではいちご狩りなど以外には、なった果物を木から直接もいで食べるという
ことはなかなかしませんが、きんかんにはそういう野趣がまだ残っています。

皮を食べるものとしては、みかん類の皮を干した中国の陳皮、西洋のマーマレ
ード、長崎のざぼん漬けなどがありますが、生で食べるというのがきんかんの
特徴でもありますね。直接かじってもいいのですが、家では包丁でわたと実の
ぎりぎりのところまで分厚く皮をむいて食べています。柑橘類の皮に含まれる
苦みなどの刺激成分が適度にあって、食後のデザートに食べると口がすっきり
します。勿論、生で食べる以外にも砂糖漬けやシロップ煮、きんかん酒などに
できますが、それはよほど量があるときに作ればいいのではないでしょうか。

家族の好き嫌いは分かれています。家内はもともとマーマレードなどの皮類が
嫌いらしく、きんかんも食べません。上の子は小さい頃は好んで食べていまし
たが、小学校へ上がる頃になって刺激がいやになったのか、食べなくなりまし
た。下の子はまだ幼稚園ですが、大きな球をむいたのを幾つも食べています。
先日買ってきたものに、黄色からオレンジ色がかって熟れていたものがあり、
「めっちゃ甘い」と喜んでいました。わたしは、庭に木がほしいぐらいです。


(2006年2月5日)  【関連書き込み

「菜の花漬け」
食用の菜の花は、学校で栽培したアブラナより、もっと葉がちりちりしていて
軟らかい品種だそうですが、たいていはつぼみができた状態のものを、葉も茎
も一緒に食べます。あくが少ないので、さっと湯がいてお浸しとかマヨネーズ
あえとかで食べてもいいのですが、さらにあっさりした食べ方は、塩で漬ける
一夜漬けでしょう。友人に以前、京都の土産としてもらって食べてから、春を
感じる食材に菜の花が加わりました。少しほろ苦さを感じるのがいいですね。

塩漬けの基本は「塩分3%」。全体が100gで塩3g、200gで6g……という
感じです。肝心なのは「全体」で、菜の花漬けの場合は、洗った菜の花の水分
ごと量ってたとえば170gなら、だいたい200g(うち塩6gが必要)と見なし、
その170gに塩6gを振りかけて、さらに水24ccを加えれば、ちょうど200g
になりますね (^_^)。ま、そこまで厳密でなくてもいいですが、それにちょっ
と重しをかけて、ひと晩冷蔵庫に置いておけば、一夜漬けのできあがりです。

漬物よりもサラダ感覚かもしれませんが、箸休めに春の味覚をいただきましょ
う。すべての塩漬けに共通しますが、塩の一部を昆布茶で代用することができ
ます。また、風味付けに醤油をほんの数滴たらすのもいいでしょう。季節感が
なくなったと言われて久しいですが、菜の花はまだ季節感を感じられる食材か
もしれません。尤も、スーパーには「なばな」という葉物野菜もあり、こちら
は春以外でも見かけることがあります。ま、美味しければいいですが(^_^;)。


(2006年2月12日)  【関連書き込み

「むらすゞめ」
岡山県倉敷の銘菓です。小麦粉と卵、砂糖、重曹を溶き、鉄板で焼いた生地で
小豆あんを包んだもの……こう書くと、何の特徴もないようですが、一見して
違うのは、鉄板で焼いて茶色く、平らになった面を表にしてあるのではなく、
「ひっくり返す前のホットケーキ」というか、表面がぶつぶつに穴の開いた面
を表にして、あんを包んである点です。焼いた面は内側で、黄色いぶつぶつの
半円形が表側。逆転の発想というか、まことに見事な仕立て方だと思います。

むらすずめ(群ら雀)というのは、よく実った稲穂をついばもうと、黄金色の
田んぼに降り立って群れているすずめのこと。のどかな田園ならではの光景で、
くだんの菓子の由来によると、黄色が田んぼ、表面のぶつぶつが実った稲穂、
あんを包んだ半円形が羽を広げたすずめ、という見立てだそうです。一般的に
和菓子は見立てで命名するものでしょうから、その点は良しとしましょうか。

このお菓子自体は甘すぎず、上品な味わいですが、原材料や見立てが素朴です
から、あまり高級感は感じられません。本当は、ごく普通のありふれたお菓子
だと思うのですが、元・倉敷市民の身びいきというか、ついつい人に奨めてし
まうのですね(^_^;)。すずめのような形にするために、あんこが少なめにして
あるのか、という冷静な分析もできますが、お土産品ですから、それも仕方が
ないかな、と。実質本位の方は、倉敷では「焼きままかりの酢漬け」や「たこ
の姿干し」や「地酒」をお買い求めください。倉敷名産はいっぱいあります。


(2006年2月16日)  【関連書き込み

「鯛めし」
ご飯を炊くときに、米の上に鯛を丸ごと1匹乗せて豪快に炊きあげる鯛めし。
伊予の名物として知られていますが、さてさて実際に作るとなると、うろこは
完全に取っておかないといけないわ、小骨も気になるわで、難しいものです。
で、はなだんな流を紹介します。参考になったのは、市販の(いとよりを使っ
た (;_;))「鯛めしの素」です。鯛といえば、やっぱり真鯛。ちゃんと真鯛を
使いますが、切り身やあらでもOKとします。尾頭付きとはいきませんが……。

材料:米n合。鯛の切り身n切れ。醤油(あれば薄口)、酒、長ねぎ各適量。
手順:1)米は洗って炊飯器に入れておく。2)鍋に水(n×400cc)を入れ
  て沸かし、醤油と酒でお吸い物よりも薄めに味付けする。3)鯛の切り身
  は焼いたあと、鍋に入れてしばらく煮る。4)煮汁を少しさまし、一部を
  炊飯器に(目盛りまで)移して、スイッチを入れる。少々熱い煮汁でもよ
  い。このとき、うろこ、小骨、余分な油分が入らないよう、玉じゃくしと
  網で、丼鉢などに漉してから炊飯器に移せばよい。5)ご飯が炊けたら、
  うろこや小骨を取った身を混ぜ込む。6)余った煮汁は、ご飯を炊いてい
  る間に、ぶつ切りの長ねぎを入れたお吸い物にする。長ねぎはしばらく煮
  る。必要なら人数分になるように、水、濃い口醤油などを加えればよい。

骨などは仕方がありませんが、だしも含めて余さず使うというのが方針です。
出来上がりに針しょうがや木の芽などの薬味を添えることもできますが、まず
は鯛そのものの味をいただいてみてはいかがでしょうか。あらを使う場合は、
頭などの身の少ない所はだしが多く出ますが、食べ足りないかもしれませんの
で、胴骨のあたりを使うほうがいいかもしれません。……でも、せっかくの鯛
めしですから、やはりある程度は上品な白身が欲しいと思いますね (^_^)。


(2006年2月18日)  【関連書き込み

「さつま」
松山土産に「さつま」を買って帰りました。正確に言えば「伊予さつまの素」
ですが、愛媛特有の甘めの麦味噌に、鯛、砂糖、ごま、昆布各少量を混ぜたも
のです。1人前40gを60ccのお湯か水で溶き、刻んだねぎ、みかんの皮
のみじん切り、ごま、こんにゃく、きゅうり、油で炒めたごぼうなどのお好み
の薬味を入れて、温かいごはんか麦めしにかけて食べる、というものです。鯛
や他の具が入るというものの、つまりは味噌汁かけごはん、ということですね。

実際には夕食時に2袋80gを120ccのお湯で溶き、刻みねぎ、きんかん
の皮を刻んだもの、黒ごまを混ぜて、4人分としていただきました。申し訳程
度に魚の身が入っていましたが、わずか1個分ながら、きんかんの味がとても
効いていました。4人で分けたため、汁かけごはんにはならず、「緩めた味噌
を乗せたごはん」になりましたが、わたしはそのほうが良かったですね(^_^;)。
これなら鯵か何かを焼いてほぐし、追加トッピングしてもよかったと思います。

「さつま汁」は、鶏肉やにんじんなどが入るいわゆる薩摩汁と、このぶっかけ
飯の伊予さつまの2種類あるようです。伊予のさつまは、冷たいままかければ
宮崎の冷や汁のようなものだと書いてあるものもあります。九州から愛媛に伝
わったので「さつま」。夫が妻を佐(たす)ける料理という「佐妻」は、いか
にも後付けのように思います。そういえば愛媛のもう一つの鯛めし、鯛の刺身
をごはんに乗せて食べるものは、炊き込みの鯛めしに対して日向飯(ひゅうが
めし)とも呼ばれます。どうも、よその地名を付けるのがお好きなようで……。


(2006年2月23日)  【関連書き込み

「木の葉丼」
わたしは丼物、なかでも卵でとじたものが好きですが、いちばんシンプルなの
が卵丼(「玉子丼」=ギョクドンとも)、これに少し具が入ったのが、木の葉
(このは)丼です。具は、かまぼこの薄切りと、長ねぎの青い部分を薄く斜め
に切ったもの。ねぎは太めの斜め切りを縦に切って、ひし形にしても綺麗です
が、ともかくこれらを木の葉に見立てたのでしょう。子どもの頃によく作って
もらいました。細切りの薄揚げを煮て卵でとじた信太(しのだ)丼とともに、
材料は豪華ではないけれど、充分に満足感を感じていたように記憶しています。

1人前は、卵のサイズにもよりますが、だいたい水60〜80ccでしょうか。
ここに少し濃いめの醤油味と砂糖、みりんを加え、紙のように薄く切ったかま
ぼこと青いねぎを強火で煮きます。卵はお椀などに割ったら、まず黄身を崩さ
ないように黄身の周りのぷるぷるした白身をよくほぐし、最後に黄身を6つか
8つかぐらいに分かれる程度に崩します。ねぎに火の通る加減を見て、溶いた
卵を、できるだけ小鍋の水面に近い高さから静かに一気に入れ、周りが沸いて
きたら1〜2回かき混ぜて、弱火にします。半熟でも、よく火の通ったのでも、
お好みで加減してください。くれぐれもかき回しすぎず、煮きすぎないように。

黄身と白身とを完全に混ぜ合わさずに作るほうが、味も滑らかで、見た目も華
やかになります。具のかまぼこやねぎは、決して多すぎてはいけません。卵が
鍋底にこびり付くのを防ぐために入れているんだ、ぐらいのつもりで、控えめ
にしてください。あくまで主役は卵ですから。卵とじができあがれば、大きめ
の丼に適量盛った熱々のごはんにふわりと乗せて、いただきましょう。勿論、
そのままで結構ですが、刻み海苔や三ツ葉を飾れば、さらに風味が増します。


(2006年2月26日)  【関連書き込み

「フィッシュカツ」
小松島など徳島の名産で、「カツ天」とか単に「カツ」とも言うようです。た
だし、カツと言っても、フィッシュバーガーの具のような「白身魚のフライ」
ではありません。カレー味を効かせたすり身を薄く成形して、表面にパン粉を
つけて揚げたものです。徳島駅の売店で買って帰ったものは直径が15cmぐ
らいありました。これを縦横に適当に何切れかに切って、フライパンで両面を
温めれば、ごはんのおかずにもなりますし、ビールなどのアテにもなります。

すり身をそのまま揚げれば「じゃこ天」(てんぷら、さつま揚げ)ですが、こ
のフィッシュカツはパン粉の衣がついています。衣が浮いている所がなかった
ところを見ると、薄くしたすり身にじかにパン粉をつけているようです。徳島
出身の先輩は子どもの頃、「今晩のおかずはカツやで」と言われて、これが出
てくると喜んだと言います。今では豚カツやビフカツも普通にあるでしょうが、
当時はそんな時代だったのでしょうか。わたしといくつも違わないのですが。

さて、わが家の評判は、5歳の子はカレー味が「辛い」と言うのでマヨネーズ
を付けてやると、ぺろりと食べてしまいました。9歳の子は「とんかつソース
を塗ってみる」と言って一切れに塗りましたが、「元の味がわからなくなる」
と言って、他のはそのまま食べました。家内は「美味しいけど、なんか駄菓子
みたい」と言っていました。わたしは先輩に「醤油を掛けて食べた」と聞いて
いましたが、味が濃そうなのでそのまま食べました。結構いける味でしたよ。


(2006年3月4日)  【関連書き込み

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