「春野菜のてんぷら」
「てんぷらは難しい。フライのほうが失敗が少ない」という声を聞きます。こ
れは、てんぷらの衣の作り方を指して言っているのだと思いますが、そういう
呪縛があるのでしたら解かねばなりません。それと同時に、この季節はたらの
芽、ふきのとう、こごみなど、てんぷらにすれば美味しい春の山菜がとりどり
にあります。そこまで行かなくても、三つ葉、菜の花、ブロッコリー、アスパ
ラガス、菊菜など、手頃な野菜を揚げて食べれば、普段の惣菜としても楽しめ
ます。改めて言いますが、てんぷらの衣は、簡単です! 以下に紹介します。
わたしは、ごく少量揚げる場合を除き、だいたい小麦粉半カップ(100cc)を
同量弱の水で溶きます。ボウルに小麦粉を入れて、計量カップに100cc計った
水を加えていくのですが、水を半量ほど入れて箸でまぜると、粘っこいものが
できかけます。そこに少しずつ水を足してまぜていると、どこかで「おやっ、
さらさらっとしたな」という瞬間があります。そこで止めれば「ぽったりした
衣」ができています。もう少しさらさらの衣(薄衣)にしたい場合は、薄くし
すぎないように注意しながら、水を加えてください。なお、卵は使いません。
衣に野菜をくぐらせ、中温の油に入れますが、入れたら裏返す以外はネタを触
りません。下手に触ると衣が粘つきます。野菜のてんぷら(精進揚げ)は衣が
固まれば充分なので、きつね色にならないうちに引き上げてしまいます。から
りと揚がったのを、塩などでいただきましょう。余った衣は、残った野菜があ
れば刻んでまぜて、油に落として平たく揚げてしまいます。塩かソースで食べ
るといいでしょう。なお、茹でて残っているブロッコリーやアスパラなどがあ
れば、少量の粉と少量の油で、見違えるような別の一品に生まれ変わります。
(2006年4月15日) 【関連書き込み】 |