「わけぎのぬた」
3月3日は桃の節句。とはいえ、こんな時期に桃の花が咲くわけもなく、旧暦
だった時代の名前を引きずっているのでしょう。ひなまつりには、ばらずし、
わけぎのぬた、はまぐりのおつい(うしお汁)というのが、わが家の恒例でし
た。わたしには女兄弟がいなかったので、ひな飾りや白酒、ひし餅はありませ
んでしたが、節句の行事としてはおすしを食べることになっていたのですね。
わけぎというのは軟らかい葉ねぎ(青ねぎ)で、これを湯通ししたものを酢味
噌(米酢+白味噌+砂糖or味醂)であえれば「ぬた」という料理になります。
ここにイカか貝のむき身が入れば、より高級な料理になるのでしょうが、子ど
もはだいたい酢味噌が嫌いと相場が決まっており(?)、わたしもひと口だけ
箸をつけてお茶を濁していました(^_^;)。最近は食べなくもないですが、個人
的には「早春を感じる料理」というほど思い入れがあるわけでもありません。
ひな飾りをしなくとも、子どものころは「ひな菓子」を買ってもらったりしま
した。ハクセンコのような砂糖菓子でひし餅や巻きずし(ちゃんと小さく海苔
が巻いてあった)などの形にしてあり、コリコリと食べると美味しかったのを
覚えています。しかし、一度は本物のひし餅を食べたいと思い、大人になって
ようやく買って網で焼いて食べました。そのときは網じゅう焦げついてしまい
ましたが、これはどうやら砂糖をたっぷり練り込んだ甘い餅だったんですね。
(長らくお待たせしましたが、本日より再開いたしますので、またご贔屓に)
(2005年3月10日) 【関連書き込み】 |