13.朝はあわただしく
明けて月曜日。7時半に起きた。一夜をすごしたダブリンは、 やはり曇り空だった。テンプルバー・ホテルには朝食がついてい なかったので、街へ出ることにした。ついでに、重いお土産を抱 えて歩くのはかなわないと、お土産のコースターを国際郵便で華 氏の実家へ送ることにし、きのう買っておいた丈夫な封筒にコー スター10個を詰めて、中央郵便局へ行った(郵便代は4000 円ほどかかった)。そのあと、朝食は、「きのう入ったマクドも 何だし……」ということで、オコーネル通りをはさんで向かいに あるバーガー・キングに決めた。つづいて、明日以降の宿を予約 するため、すぐ北側にあるツーリスト・インフォメーションに行 った。 ここは、緑色で四角の中に[i]と書いてある看板が目印で、 アイルランド全土にあり、旅行者にとってはとてもありがたいオ フィスだ。今回は、ダブリン以外の宿は日本では予約していなか ったので、4〜5泊ほどは[i]のお世話になる必要があった。 ここで一度に旅程を決めてしまってもよかったのだが、天候など により、アラン島へ渡るかどうするか、という不確定要素もあっ たので、とりあえず明日の宿泊予定のスライゴー(北西部)と、 あさってのゴルウェー(西部)の宿を取ることにした。「何曜日 |
にどこそこに泊まりたい。ランクは★★★か★★★★ぐらいで」 と言うと、窓口のおねえさんが親切に手配してくれた。結局、ス ライゴーは鉄道の駅から歩いて1分のホテル、ゴルウェーは、市 街地から少し離れたところにある高級ホテル!に泊まることにな った。 そのあと、1.5キロ 離れたリースン通りにあるハーツ・レンタ カーのオフィスへ行かなければならなかった。日本からの予約で は、この日の朝10時に行くことになっていたが、[i]で宿を 予約しているうちに10時を回ってしまった。あわてて妻にクレ ジットカード・ホンで電話してもらい、「少し遅れるが、必ず行 くから」と伝えてもらった。……で、トイレへ。オコーネル通り にある百貨店の2階のを借りたのだが、百貨店は1階も2階も天 井がものすごく高く、階段にはふかふかの絨緞が敷いてある。い かにも高級店、というイメージだった。オコーネル橋を渡り、原 宿のようなグラフトン通りを抜け、スチーブン緑地を横切るとリ ースン通り。ここは高級住宅街らしく、レンガ造りの町並みがそ ろっていて、それぞれの家のドアは、みんなカラフルに塗られて いる。ドアのノブが、扉のど真ん中にあるものも多く、珍しい。 「遠いなあ」。気ばかり焦る華氏だったが、町並みが途切れたこ ろ、目の前にリースン橋が見えた。あ。ハ−ツの看板だ。 → 14「スープのとりこになる」へ |