24.空港は営業終了
オブライエン・タワーから駐車場に戻った華氏は、のどが乾い たので、甘くない飲み物がほしいと思い、売店で缶入り「アイス ・リプトン」を買った。しかし、これは、冷たい紅茶だと思った ら、なんと炭酸入りの甘〜い紅茶だった(こんなものにまで炭酸 入れるなよ!)。売店には、1ペンス硬貨を引き延ばして(まる で電車に踏ませたように)、刻印し、アクセサリーに加工できま す、という機械も置いてあった(……オイオイ)。ともあれ、缶 入り飲料を飲みながら、華氏らはバレン高原の中心部へと向かっ た。モハーへ行くときに通ったのは高原の辺縁部だが、この一帯 は全般的に岩がゴツゴツしていて、やせた土地で、せいぜい草は あるが、木はほとんどない。行き交う車もなく、アップダウンの 激しい道をびゅんびゅん飛ばし、キルフェノーラの大聖堂跡に着 いた。 すでに5時半。6時までに車を返そうと思っていた華氏はあき らめの境地だった。ただ、だからといっていつまでもだらだらし ていては、暗くなってしまう。妻はバレン高原に点在するドルメ ンという遺跡が見たかったそうだが、それは断念した。もうゴル |
ウェーに戻らなくては。R476(Rは単なる<道>か?)を通 ってリズドゥーンバーナへ。途中、前方の丸いはげ山が、夕陽で ピンク色に光っている。N67を北上し、バリボーガンで、行き しなに海岸沿いを走ったL54との合流点に出た。あとは来た時 と同じ道を帰るだけだ。もう、飛ばせるだけ飛ばす。車が跳ねて いる。 ダンガイラ城を通りかかったとき、潮が満ちて、波もなく、海 面に城がきれいに逆さに映っていたので、降りて写真を撮った。 車を返す場所は、ゴルウェーから東へ10キロほどのゴルウェー 空港にあるハーツ・レンタカーの事務所だ。空港への標識が分か りにくかったため、少し道を間違えた。あわてた華氏は、戻ると きに直線道路で時速120マイルほどを出した(1マイルは 1.6 キロです。念のため)。空港に着いたのは、そろそろ薄暗くなり かける午後7時。1ポンドを機械に入れ、空港の駐車場へ車を入 れた。午前中に通ったノック空港を笑っていられない。小さな飛 行場だ。華氏らは、3日間でどろどろに汚れた車を降り、空港の 建物へと向かった。ところが……ドアが開いていない! 建物の 中は無人……空港が閉まっている! さあ、どうすればいい? → 25「水と車とゴルウェー空港」へ |